カラス【庭にくる鳥たち】

2022年2月28日

庭の柿の木が熟すとちゃっかり御相伴にあずかりに来るカラス。頭がよくてなかなか庭の中央まで来ることもありません。代わりに電線の上で威張っている姿はよく見かけます。害鳥として嫌われているカラスですが、実際にはいろいろな顔を持っているのをご存じでしょうか?そんなカラスについて気まぐれに調べてみました。

目次

カラスってどんな鳥?

カラスの特徴

カラスの特徴をまとめると以下になります。

科目スズメ目スズメ亜目カラス上科カラス科カラス属
体長種類で異なる・ハシブトガラス:約56cm
・ハシボソガラス:約50cm
体重種類で異なる・ハシブトガラス:約550~750g
・ハシボソガラス:約520g
体色光沢のある黒【種類によっては異なる】

カラスの名前の由来

名前の由来には諸説ありますが、有力なのは2説です。

まずは鳴き声に鳥を意味する古語の「ス」がついて「カラス」となったという説。そして体の色から「黒シ(シも鳥を表す古語)」となり、さらに転じて「カラス」になったとする説です。

世界的に見てもカラスを意味する言葉は、発音的に「k」と「r」を含みます。そのため鳴き声由来とする説がやや有利といってよいでしょう。

「烏」と「鴉」は何が違う?

カラスを漢字で書くと「烏」と「鴉」があります。「烏」は黒一色の体をしていることから目がわからないということで、「鳥」の目を表す横棒を取ったものです。

一方の「鴉」は「牙」が鳴き声を表すとされています。

では「烏」と「鴉」の違いはというと、「烏」が象形文字で「鴉」が形声文字ということ以外、詳しいことはわかっていません

元々は「烏」がカラスの総称で「鴉」がハシブトガラスを表していたとする説のほか、鳴き声の違いで分けられていたとする説など、いずれも決め手にかけるのが現状です。

カラスの生態

概要

日本のカラスの生態をまとめると以下になります。

分布日本全土 
分類留鳥【ハシブトガラス・ハシボソガラス】
冬鳥【ワタリガラス・ミヤマガラス・コクマルガラス】
生息域草原・森林・海岸・市街地など
食性雑食【果実・種子・昆虫・動物の死骸・小動物・生ゴミなど】
性格・縄張り意識が強い・神経質で気が小さいところもある【ハシブトガラス】
・意外と無頓着なところがある【ハシボソガラス】
天敵・オオタカ・フクロウなどの猛禽類・キツネ・猫など
・ヘビ類
カラス
寿命自然下約7~8年・飼育下約20~30年

カラスの意外な事実

カラスは研究が遅れている鳥です。見ない日はないくらい身近にいるのに、わかっていないことがたくさんあります。

理由はいたって簡単です。頭がよくて警戒心も強いため。それ以外に言いようがないのです。

通常、基本の研究方法といえば、どんな行動をしているかをこまめに観察して記録を集めていきます。ところがカラスは人が見ていることにすぐに気付いて観察させてくれません。「なんか変なのが見ている」といわんばかりに移動してしまうのです。

もちろん鳥の研究方法は観察する以外にも方法があります。さまざまな個体を捕獲して、番号を振った足輪などを取り付けるバンディング(リンギングともいいます)もポピュラーな調査方法です。足環をチェックすることで行動範囲や寿命などを調べられます。

ところが今度はカラスの頭のよさが邪魔をし、そうそう簡単につかまりません。そのため滅多なことでは足環をつけられないのです。

結果としてカラスは鳥の研究で使う王道の方法のほとんどが通用しないという、調査難易度が非常に高い鳥になっています。

それでも身近な鳥だけに目に付く機会も多いです。わかっている限りのカラスの生態をまとめてご紹介します。

カラスの1日の行動

カラスは普段、どのような1日を過ごしているのでしょうか?

よく見かける鳥だけど知られていることは意外と少ないカラス。そんなカラスの1日をご紹介します。

カラスは早起き

実はカラスはなんとなく明るくなりはじめたかな?と感じる時間にはもう起き始めます。

夜が明ける30分前にはもう起きて、ねぐらから飛び立ってエサ探しを始めるのです。

まずは食事で腹ごしらえ。そこはほかの鳥や動物と変わりません。

カラスの食事

カラスは雑食性なので、植物質のものも動物質のものも幅広く食べます。植物質のものでは果物をはじめとした木の実や草の種のほか、人が食べ残したパンやご飯なども見逃しません。

動物質としては死んだばかりの動物の死体などを食べます。山間部などでは車にひかれて死んだ動物の死体に、カラスが我先にと群がっているのを見たことがあることでしょう。

もちろんほかの生き物を襲ったりすることもあります。鳥の卵やヒナを奪うだけでなく昆虫も好物です。ネズミなど小型の哺乳類、蛇などの爬虫類、カエルなどの両生類も捕食します。浅瀬にいればザリガニも捕まえて食べるなど、多種多様なものを捕食する鳥です。

カラスは人間にとって迷惑な鳥

人間が食べているものを空から奪うのもお手の物という高い技術を持ったカラス。ピクニックで食事を楽しんでいたら、カラスが食べ物を盗っていったなんて話はよく聞くことです。ペットのご飯だって拝借します。

文字通りさまざまなものを食べているのですから、人間にとって迷惑なことが多くなるのは当然です。農林水産省によると、令和2年度(2020年度)のカラスによる農作物の被害額は13億7900万円で、鳥類の中でもずば抜けていました。※詳細はこちら都市部ではゴミをあさって散らかします。もっともカラスがゴミをあさるのは、人間が食べ物を捨てていることを知っているからです。人間自身の行動がカラスの害を生んでいることになります。

カラスの行動範囲

カラスは1年のほとんどを縄張りで過ごします。縄張りを持てない弱いカラスやまだ繁殖前の若鳥は群れで生活するのです。カラスはこのようにはっきり分かれて行動します

カラスの縄張りは意外と狭く、50~100mほどです。それに対して集団で行動する若鳥たちは、都会に住むハシブトガラスの場合、ねぐらから10kmも移動します。これはエサを探して飛び回っているためというのが通説です。

カラスの遊び

都会のカラスは遊ぶ姿もよく目撃されます。電線や木の枝からぶら下がってときには大車輪もして見せるのです。

ほかにも人間の子供よろしく滑り台や雪の斜面を滑ったりもします。ボールを見つけると何羽も集まってボール遊びを始めることも。

犬や猫をからかうのもお気に入りの遊びらしく、犬のしっぽを引っ張ってみたり、低空飛行で猫を驚かしてみたりします。

ただしすべてが遊びというわけでもないようです。エサを食べようとしたら足場が動き出し、大慌てする様子も観察されます。

カラスは寝るときはねぐらを作る

まだ相手のいない若鳥や弱くて縄張りを持てないカラスは、繁殖期でも群れで過ごします。そんな彼らが寝るときには、仲間とともに集団ねぐらを作るのが特徴です。

そんな集団ねぐらには、秋が深まってくるとその年巣立った若鳥を連れたつがいも参加することがあります。

その結果、集団は夏とは比べ物にならない大きさに。通常でも数百~数千羽、大きなものでは1万羽を超えることがあるのです。都心や大都市でも有名な集団ねぐらが幾か所もあります。

カラスがねぐらを作る理由

なんでそんなに集まるのか?といえば、一番は身の安全の確保です。群れで行動していれば、危険が迫ったときに誰かが気付く可能性が上がります。後はみんなで逃げればいいだけです。

このほかにもエサ場の情報を共有しているという説もありますが、こちらは単にほかのカラスが向かった先に便乗してついていってるだけという説もあります。

さらには若鳥がまだ相手のいないメスを見つけ、次の繁殖に向けてアピールする場でもあるとする説もあるのです。

カラスのねぐらが社会問題化している場所もある

集団ねぐらではカラスが寝入るまでが困りもので、社会問題化している場所もあります。なぜなら「就塒前集合(しゅうじぜんしゅうごう)」「帰塒前集合(きじぜんしゅうごう)」と呼ばれる行動を起こすためです。

簡単に言うと「ねぐらに帰る前に一度決まった場所に集合する」ということ。ねぐらに帰る前に全羽が無事か確認するのを目的とした行動というのが通説です。

問題はそのときの鳴き声やフン害です。全羽が集まって安全確認されるまで、集合場所で何百、何千、下手すれば1万羽以上のカラスが鳴いてフンをしつづけます。これが問題にならないわけがありません。

カラスにとってはいつもの生活の一部ですが人間側からは迷惑行為です。カラスとの共存が難しい部分の1つといえるでしょう。

※害鳥としてのカラスについてはこちら

カラスの寿命が長い理由

小型の鳥の場合は天敵が多いだけでなく、環境の変化に敏感で巣が作りにくくなっています。実際スズメですらその数は年々減っているのが現実です。

そのような小鳥たちに対してカラスは天敵が少ないだけではありません。雑食性のためエサに困ることは少ないです。しかもエサが余れば隠しておく「貯食」と呼ばれる行動もとります。

都会ではときにドバトすら襲って食料とするくらいカラスは絶対王者といえる鳥です。

さらに天敵であるはずのオオタカなどの猛禽類に対し、「モビング」と呼ばれる疑似攻撃を群れで行うこともあります。そうして狩りの邪魔をして追い払うのです。実際モビングを行うカラスとそうでないカラスとでは寿命に差が出るというデータもあります。

また知能が非常に高いことから、一度危険な目にあったところには近寄ろうとしません。貯めておいたエサの場所も忘れることは少ないです。そのため食糧難に強い鳥でもあります。

仲間と情報を共有するなど、コミュニケーション能力に優れている点も強みです。カラス自身の能力の高さが、彼らが長生きできる一番の秘訣といえます。

飼育されているカラスはさらに長生き

野生のカラスよりエサに困ることもなく、天敵などのストレスもなく、寒さや暑さからも守られる飼育下のカラス。恵まれた環境下で過ごせる分寿命も延び、平均20~30年ほど生き続けるのが一般的です。

鳥類の中には飼育下で長生きするものが多く、フクロウやオウムなどが60年ほど生き続けることが知られています。この例にもれず、カラスもまた飼育課では長生きする鳥の1つです。

カラスの死体を見ないのはなぜ?

カラスは死体を見かけることが少ない鳥といわれています。しかし実際に死体を見かけることが少ないのは都市部のみです。郊外に出れば農耕地や空き地などでそれなりに目にします。

ではなぜ都市部でカラスの死体を見ることが少ないのでしょうか?

理由はいくつかあります。まず市街地でカラスが死ぬのは事故死や天敵に襲われたなど、カラスにとっては想定外となる場合のみです。カラスは体調が悪い場合や、寿命が近いことに気付いたときなどは、自分の巣の中で過ごします

カラスは基本的に森林部の木の上に巣を作る鳥です。そのため巣の中で死んでいくカラスを目にする機会は少なくなります。死んだカラスは別の生き物のエサとなって消えていくため、目にする機会がないのです。さらにカラスは共食いをします。巣で死を待つだけのカラスは弱っているため、これらの個体を襲って食べるのは簡単です。カラスの死体を一番食べているのは、カラス自身かもしれません。

カラスの繁殖

概要

カラスの繁殖形態をまとめると以下になります。

繁殖期・ハシブトガラス:4月中旬~8月
・ハシボソガラス:3月中旬~7月
【ざっと3~7月】
繁殖回数失敗繁殖を除けば1回
縄張りの広さ50~100m
つがいの形態一夫一妻制
営巣場所・ハシブトガラス:枝が込み入った大きな木の高い場所を好む
・ハシボソガラス:気に入れば低い目立つ場所でも営巣する
・共通:営巣場所に困ると古巣を利用する【例外もある】
巣の形・材料皿状の巣 材料:針金ハンガー・木の枝 
産座(卵のベッド)の材料:枯れ草・木の皮・コケ・シュロ縄をほぐしたもの・獣毛・ビニールテープなど
抱卵担当メス【オスは見張りとメスへの給餌】
子育て担当つがい
卵の数・ハシブトガラス:2~5個
・ハシボソガラス:3~5個
孵化までの日数20日前後【孵化後も羽が生えるまでメスが10日間ほどヒナを抱く】
巣立つまでの日数30日前後【しばらくは親と行動を共にする】

都市部など人のすぐ近くで生活しているカラスは、針金ハンガーをよく巣作りに使います。器用に針金ハンガーだけで組まれた巣も存在するほどです。

産座にも人工物が使われる機会が増えますが、同時に問題が起こることも珍しくありません。ビニールテープなどのひも類の場合、ヒナに絡みついて最悪窒息死するケースもあります。

巣立った後は?

ヒナは巣立った後もしばらくは親鳥と一緒に生活します。巣立ったばかりの頃はあまり上手に飛べないため、親ガラスも神経質で攻撃的です。

親からエサをもらいながら飛ぶ訓練をし、10日ほどで満足に飛べるようになります。

親鳥から生きるための術を習い、秋には自立して群れの仲間入りを果たすのです。

子供がかわいいのはカラスも一緒

「突然カラスに襲われた」こんな経験を持っている人は意外と多いかもしれません。4~6月頃は卵からヒナがかえり、親ガラスが最も神経質になっている時期です。

カラスにとっては同じカラスですら天敵のため、余計にピリピリしています。そのため巣に近づくものに対して特に神経質になっているのです。

巣から半径50~100mはカラスの縄張りの範疇内になります。この縄張り内に知らずに入り、巣を見上げるだけでもカラスにとっては不審者です。かわいい子供を守るために必死になります。

実はカラスは人に攻撃する前に、いくつもシグナルを送っているのです。まずは不審者と感じた相手を注視しながら警戒の声を上げ、連れ合いに危険を知らせます。

さらに縄張りから不審者が立ち去らない場合、威嚇の声を上げて縄張りから立ち去るよう警告もしているのです。

それでも不審者が立ち去らなければ接近し、追いかけ回し、周囲の枝をつつくなどして警告を続けます。低空飛行しながら周囲を飛び回るようになったら最終警告です。次には攻撃してくるようになります。

カラスに襲われないためには

繁殖期にカラスに攻撃されないためには、いくつかコツがあるので覚えておくとよいでしょう。

まずはカラスが周囲で鳴いていることに早く気づくことです。カラスの声がしたらそちらを向かず、歩いて離れましょう。走って立ち去ろうとすると、攻撃本能を刺激してしまいます。

うっかりカラスに攻撃され始めたら両腕をまっすぐ上にあげ、やはりカラスの方を見ずにゆっくり歩いて離れてください。カラスは頭を狙ってきます。そのため、両手を上にあげていると攻撃しにくく、回避しやすくなるのです。

家や歩道橋の近くに巣を作られたときにも注意したいことがあります。

たとえ家の中でも巣の中を覗きこんだりしないことです。特に巣よりも上から覗きこむと、卵やヒナを狙う敵と認識される危険性があります。一番は身近にカラスの巣を作らせないことです。卵を産んだ後は危険になるため、巣を作っているうちに役所に通報してください。巣は専門業者に駆除してもらうと安心です。

カラスに襲われたときにやってはいけないこと

もしカラスに襲われたとき、一番悪い対処法は物を投げるなどしてカラスを攻撃することです。カラスにしてみれば縄張りを荒らす悪人が、さらに攻撃してくることにほかなりません。完全に敵とみなされ、周囲のカラスも巻き込んで大混乱になるだけです。

なお人に襲い掛かってくるのはハシブトガラスで、ハシボソガラスは鳴くだけにとどまります。それでも一応警告はしているので、ゆっくり立ち去るようにしましょう。なまじ子育ての邪魔をして育児期間を伸ばす方が悪手です。

カラスの仲間

カラスは種類が多い

カラスは世界中にたくさんの仲間がいる鳥です。特にカラス科はスズメ目に属する鳥のため、スズメの仲間もカラスの遠い親戚といえなくもありません。

スズメ目は鳥の世界でも最大派閥のグループです。カラス科はその中の一部とはいえ、カラス科で見ても世界中にさまざまな属を持つ、かなり大きなグループを形成しています。では日本には何種類のカラスがいるのでしょうか?

日本で確認されているカラス属は4種類

日本に留鳥としてとどまって生活しているカラス属は、「ハシブトガラス」と「ハシボソガラス」の2種類です。ほかの2種類は渡り鳥で、「ワタリガラス」が冬鳥として北海道に、「ミヤマガラス」も冬鳥としてほぼ日本全土に渡ってきます。

ハシブトガラス(嘴太烏・嘴太鴉)

名前の通りに太いくちばしが特徴のカラスです。さらにくちばしの付け根から頭が盛り上がっていて、その見た目から「頭がモヒカンのようなカラス」と例える人もいます。

日本のカラスの中では大きめの体格で、体長は56cmほど、翼を広げると100cmほどです。体重も約500~900gになります。

好奇心が強くて物おじせず人に近づいてくる反面、中には攻撃的で人に襲い掛かってくるものもいるため要注意です。意外と神経質で小心者な面も持っているとか。

移動時は歩くよりも、ピョンピョン跳ねるホッピングで移動しているのをよく目にします。

日本では小笠原諸島を除く全域に生息し、特に都心部で見かけるカラスの多くがこのハシブトガラスです。かつては森林性のカラスでしたが、天敵である猛禽類のいない都会になじみ、今では都会の空の王者となっています。

食性は昆虫や果物、穀物類のほか、肉類も食べる雑食性です。都会ではゴミをあさって、人間の食べ残しを食べるものも多くいます。

巣は高い木の生えた樹林に作ることが多いですが、都市部では街路樹や電柱などにも巣を作り、社会問題化しているところも珍しくありません。

※鳴き声はこちら

ハシボソガラス(嘴細烏・嘴細鴉)

ハシブトガラスよりもやや小柄でスリムな体型、細いくちばしが特徴です。農耕地や河川敷といった開けた場所で生活しています。

ハシボソガラスは全長約50cmほどですが、翼を広げるとハシブトガラスと同じほぼ100cmほどのカラスです。ただし、スリムな分だけ体重は軽くて約400〜700gしかなく、ハシブトガラスとは違って跳ねずに歩いて移動します。

小柄な分だけハシブトガラスよりも弱く、エサを横取りされることも珍しくありません。

ただし知能の高さは賢いといわれるカラスの中でも特に優れていて、走っている車を使って木の実を割るのは、このハシボソガラスの特技です。数字も6まで認識できるとか。賢いながらも慎重派ですが、少数ながらも人になつく個体もいます。

カラスというと真っ黒な鳥というイメージですが、皮膚近くに生える羽毛は柔らかくて白く、寒さにもめっぽう強いカラスです。

人里近くの低木林で繁殖しますが、昆虫や木の実、ときには農作物も食べるため、こちらも社会問題化することがあります。

※鳴き声はこちら

ワタリガラス(渡烏・渡鴉)

一部を除くユーラシア大陸全域や北米大陸などの広範囲に分布するカラスで、日本では冬になると北海道の北東部、流氷がオホーツク海沿岸に着くころ渡ってきます。

カラス属の中では最大級のカラスで、別名オオガラス(大烏)と呼ばれるカラスです。

体長は約60~65cm、翼を広げると約100~150cmにもなります。体重も重く、約1000~1300gとほかのカラスとは比べ物になりません。

鳴き声が特徴的で、「カポポッ、カポポッ」といったような独特な鳴き方をします。

※鳴き声はこちら

ワタリガラスは知能が高くて伝説も多い

ワタリガラスはカラスの中でも知能が高いとされるカラスです。スウェーデンのルンド大学の研究では、わざわざエサを取るための道具を用意してみせたといいます。

この行動は一部の類人猿でないとできないとされるものです。人間に換算すると、4歳児相当の知能があると見られています。

そのためかワタリガラスは様々な伝説を持つカラスです。

北欧神話では最高神オーディンの斥候を務めた鳥として、フギンとムニンの2羽のワタリガラスが登場します。旧約聖書でもノアの箱舟の話で、水が引いたかどうか確認するため放された鳥がこのカラスでした。

現在のイギリスではロンドン塔で6羽のワタリガラスが飼育されています。しかも「ロンドン塔からワタリガラスがいなくなるとイギリスは滅びる」というジンクスがあるのです。

このほかにもアラスカの先住民などにも特別な鳥として扱われ、ブータン王国では国鳥に指定されています。

ミヤマガラス(深山烏・深山鴉)

ユーラシア大陸のシベリアなどの中緯度地域で繁殖し、日本へは越冬のために渡ってきます。スリムなハシボソガラスをもうちょっと小柄にしたような、やや小さめのカラスです。

かつては九州まで南下していましたが、近年ではほぼ全国で越冬するようになりました。

全長は約47cmで、翼を広げても約90cmほど、体重も約280~350gです。全身が黒くていかにもカラスですが、細いくちばしの付け根の羽が成長するにしたがって抜け落ち、やがて皮膚が露出して白っぽく見え、ほかのカラスと見分けやすくなります。

性格はカラスとしてはおおらかで、よくハシボソガラスなど異なる種類のカラスと一緒に群れを形成するのが特徴です。食性も雑食性で、昆虫類から他の鳥の卵、果物、穀物類などさまざまなものを食べます。

ニュージーランドではかつてイギリスから害虫駆除のため持ち込まれました。現在では帰化して定着しています。

鳴くときは尾羽を広げ、鳴きながら体をそらせる独特なポーズをとるカラスです。

※鳴き声はこちら(音がちょっと小さめです)

日本で見られるカラス属の近縁は2種類

現在カラス属から分けられ、かつカラス属に近いとされる属は、ホシガラス属とコクマルガラス属の2属です。日本にはホシガラス属のホシガラスが留鳥として生息し、コクマルガラス属のコクマルガラスが渡り鳥として訪れます。

かつてカササギ(別名カチガラス・コウライガラス)も近縁として扱われましたが、近年の調査で近縁ではないとなったため、ここでは紹介しません。

ホシガラス(星烏・星鴉)

ユーラシア大陸の広い地域の冷帯針葉樹林を生息域とし、主に3つの隔離された個体群があります。各個体群はくちばしの大きさで見分けることができ、日本には四国以北の高山帯から亜高山帯で生活しているカラスの仲間です。

体長は約35cmほどと小柄で、体重も約250~300gしかありません。慎重で警戒心が強いため滅多に姿は見られませんが、登山者の間では「ダケガラス(岳鴉)」の名前で親しまれてきました。

体色はチョコレートのような黒茶色に白い斑点が縞模様を作り、名前の由来となった星空のようにみえます。翼と上の尾羽は青みがかった光沢をもつ黒で、野鳥愛好家や写真家にも大人気のかわいらしい容姿のカラスです。

ただし食性は雑食性のため、ほかの鳥の卵やヒナ、他の動物の死骸、昆虫類、木の実などを食べます。スズメバチなどの幼虫を求めて、巣を掘り起こすこともあるツワモノです。

※鳴き声はこちら

ホシガラスは森を守る管理人の役割も

ホシガラスは森を守る役割もはたしています。松の実を中心に木の実を貯蔵する習性があり、結果としてホシガラスが好む木が自然と植林されるのです。

ホシガラスが食べきれなかった実が芽を出し、スイスでは乱伐された森が復活したこともあるといいます。

ホシガラスが木の実を貯蔵するには理由がある

ホシガラスが木の実を貯蔵する理由の1つに、生息域で最も早い時期に巣作りを始めることがあげられます。まだエサの少ない時期に子育てを始めるために、食料の貯蔵が欠かせないのです。

繁殖は通常2~4個の卵を17~19日かけてかえします。さらにヒナが巣立つまで約23日かけて大切に育て上げるのです。

巣立った後も2~3か月かけてエサの貯蔵の仕方など、生き残るための知恵を親鳥から学びます。エサの貯蔵は翌年の繁殖のためにも欠かせません。そのため松の実などが不作だといっせいに生息域を離れてしまう様子も確認されています。

コクマルガラス(黒丸烏・黒丸鴉)

ユーラシア大陸の東部、バイカル湖から東のモンゴルや中国以東に生息するカラスの仲間です。

日本には越冬のために飛来する冬鳥で、九州を中心に本州西部に渡ってきます。ほかの地域にも渡ってくることはありますが、ごく少数のために滅多にお目にかかれる鳥ではありません。

全長約30~33cm、体重は約180~250gしかなく、大きさとしてはハトと同じくらいの世界でも最小クラスのカラスです。鳴き声も「キュウキュウ」と可愛らしく、くちばしもとても小さいカラスらしくない見た目をしています。

森林内や草原のほか、農耕地でも見かけられるカラスです。食性は雑食性で、ほかのカラスとほとんど変わりません。

ミヤマガラスと一緒にいる姿もよく目撃されますが、性格も慎重で飛来地も限られているためレアなカラスです。

※鳴き声はこちら

コクマルガラスは羽の色が独特

多くの個体が首周りからお腹にかけて白い羽毛で覆われる淡色型のカラスです。カラスらしい全身黒い黒色型もいますが、淡色型は知っていないとカラスとは思えない姿をしています。

共通の特徴としては、黒色型でも淡色型と同様に、側頭部に灰色の羽毛が混ざることです。それでも同じ鳥か見分けるには、それなりの知識と経験が必要になるでしょう。

飼育下ではとても長寿なカラス

コクマルガラスは長寿なカラスの中でも特に長生きできるカラスです。

カラスは飼育下で20~30年も生きます。しかしこのコクマルガラスはもっと長生きで、最高記録は驚きの60年です。

小さい体ながらたくましい鳥といえます。

カラスは鳥の中でもトップクラスの知能を持つ

カラスは脳が大きい

カラスは非常に頭のよい鳥であることは有名です。実際カラスの脳は非常に大きく、全体重の1.4%を占めます。人間ですら1.8%なのですから、いかに大きな脳を持っているかは明白です。

脳の発達の度合いを示す「脳化指数(体重を基準にどのくらい大きな脳を持っているかを指数化したもの)」でも、人間が0.89、チンパンジーが0.3、犬が0.14、猫が0.12、馬が0.1となっています。

そんな中でもカラスは0.16と犬や猫よりも大きな脳を持っているとされているのです。ただしあくまで脳の大きさを指数化したもののため、必ずしも賢さに直結するものという意味ではありません。一方で知能が高いといわれている生き物は、基本的に脳化指数も高い傾向があります。目安としてはわかりやすいといえるでしょう。

カラスは鳴き声を使い分けて意思疎通できる

日本に住んでいるカラスで一般的なのは、ハシブトガラスとハシボソガラスの2種類になります。

それぞれのカラスで鳴き声は異なり、ハシブトガラスは「カァー」とすんだ鳴き声をしているのに対し、ハシボソガラスは「ガァー」とにごっているのが特徴です。

鳴き声はそれぞれ異なるものの、カラスは40を超える鳴き方をする鳥としても知られています。コミュニケーション能力が発達していて、お互いに連絡を取り合う鳴き方や、感情を表現する鳴き方など、細かく分かれているというのです。

そこでどのようなものがあるのか集めてみました。

カラスの仲間とのコミュニケーション

集団で移動時に、仲間がはぐれないように「カァーァ、カァーァ」と鳴きながら飛びます。ゴミ捨て場に餌をあさりに来た時などは、「カァ」と1回だけ鳴いてあいさつ、もしくは点呼をしているとも。

このほかにも食事の合図として「カカカカ」と短く鳴くこともあるといいますが、聞き覚えのある人の方が少ないことでしょう。

カラスの縄張りの主張

朝に聞くことの多い鳴き声で、「カァッカァッカァッ」と断続的に鳴きます。特に繁殖期などに縄張りに入ると、「カァァカァァ」という警告の声を上げ始め、警戒度合いが上がるごとに短くなるため要注意です。

最終警告は「カッカッカッ」となり、こうなるとかなり危険な状態になります。

それでも離れないと「ガァッガァッガァッ」とにごった声で鳴き始め、ついには攻撃されるのがオチです。早めに気付くよう注意しましょう。

カラスは鳴く数でも意味が異なる

1回はあいさつや点呼、2回は強調や注意喚起に空腹、3回は自分の位置の主張や安全、4回は威嚇や危険、5回は警戒や仲間への退避勧告、6回は危険や敵の存在の伝達などなど、回数でも意味に違いがあります。

いろいろな組み合わせや微妙なニュアンスで、高度なコミュニケーションを取っているのです。

カラスは鳴く時間でも意味が異なる

カラスは昼行性の動物なので、基本は昼に鳴くことが多いです。仲間とのコミュニケーションや外敵などへの警告がほとんどを占めます。

ときには興奮して鳴くこともあり、人間っぽい一面を見せることも珍しくありません。一番はエサを見つけたときです。大きな声で仲間に知らせる様子が確認されています。

夜に鳴くことがあるのもカラスの特徴です。やはり興奮して鳴く場合が多いのですが、その中には御馳走を見つけたときというのがあります。夜にゴミを出す人がいるとその顔を覚えて、待ち伏せするようになるというのです。夜もチェックしているのがカラスらしいといえます。

カラスにも上下関係がある

実はカラスにも群れの中でも強いものと弱いもので階級があります。下のカラスは上のカラスに忖度(そんたく)するのです。

ゴミ捨て場でエサをあさるのにも、弱いカラスは強いカラスが先に食べるのを待ちます。先に食べようものなら攻撃されるのが分かっているのです。

逆をいうと、群れの中の序列をきちんと覚えている賢さがあるということになります。実際に挨拶の声をきくだけで、どのカラスがいるのかきちんと理解している研究結果もあるのです。

カラスは人間の顔を見分けられる

カラスは顔写真を使った実験の結果で、正面だけでなく、横向きでも同一人物かどうかを80%の確率で見抜ける鳥です。

さらに男女の顔も見分けることができるという実験結果もあります。

女性の顔写真のケースにのみ餌を入れておき、その女性の顔を覚えた所で別の女性の顔と交換しました。最初こそ間違えたもののすぐに女性の顔のみを選ぶようになり、ほかの女性と入れ替えても正解するようになったのです。

ただしほかの実験でさらに面白いことが分かったといいます。カラーから白黒の写真に変えた途端、見抜けなくなったというのです。カラスは赤・緑・青の三つの原色で色を判断することができるだけでなく、紫外線も認識することができます。そのように目のよいカラスにとって、色覚は非常に重要な要素なのです。

カラスの記憶力はどのくらい?

どのくらいの期間、カラスが同じことを覚えていられるかを実験したデータは、世界のあちこちにあります。日本でももちろん研究されているテーマで、日本のカラスは1年間は記憶を保っているということが分かっているのです。

中には自分のことを捕まえたことがある人のことを、5年後でも威嚇してきたという話もあります。ただでさえカラスは仲間に危険と判断した人物のことを伝える習性があるため、1羽が忘れてもほかのカラスが覚えていてまた伝え直す可能性もあるのです。

このように、カラスは単体として見るのは危険な鳥といえます。1羽に危害を加えると、似たような姿をしたほかの人にまで攻撃することが分かっているので、間違っても危害を加えてはいけない鳥です。一方で親切にしてくれた人のことも覚えています。糸にからまっているのを助けてあげたらなつかれた、というのもよくある話です。義理堅い一面もあるといえます。

カラスはそれぞれ持っている技術が違う

カラスが知能の高い鳥として認識される理由に、公園の水道の蛇口をひねって水を飲んだり水浴びしたりする、クルミなどの硬い木の実を車にひかせて割るといった行動があげられることがあります。

しかしこれらの行動をするのは、ハシボソガラスだけです。ハシブトガラスはやりません。

ワタリガラスになると、ほかのカラスがやっていることを理解し、しかもそれが自分にとってもよいことと判断すると、まったく同じ行動をとるようになるといいます。

人間から見れば行動の完コピもそこまでたいしたことではありません。しかしほかの動物にとってはとてつもない難易度のことをやってのけることを意味します。実際、このような能力の持ち主は、自然界ではごくわずかしか見られないのが現実です。

道具を作るカラスもいる

カラスの知能の高さを、本当の意味で世界に知らしめたのは海外のカラスです。フランス領のニューカレドニア島にすむカレドニアガラスで、好物のカミキリムシの幼虫を枯れ木の巣穴から引っ張り出すために、専用の道具を作る技術を持っています

それも単に枝などを拾ってくるだけでなく、余分な葉を取ったり、枝を曲げて調節したりと、きちんと加工するのです。しかも気に入った道具はわざわざとっておくことも知られています。しかしこのカレドニアガラスのように道具まで作れるカラスはほかにはいません。カラスでも種類や個性によって持っている技術が異なるのです。そのため、カラスの知能は一概にどのくらいといいきれるものではないといえます。

ほかの生き物にできてカラスにできないこともある

カラスは賢い鳥なのは間違いありません。ですがほかの生き物にできることなのに、カラスにはできないこともあるのです。

一番わかりやすいこととしては、先にカラスより脳が小さいとご紹介したハトは、時間はかかるものの鏡に映った自分を認識できます。カラスのちょっと離れた親戚のカササギも、鏡に映った自分を認識できるようになることが確認されているのです。

さらに鏡に映った姿が自分だと認識できるものはほかにもいます。ホンソメワケベラという魚もまた、鏡を見て自分の体についた汚れを落として見せるのです。つまりこの行動こそが、鏡に映っているのが自分だと認識できている証拠になります。それなのに肝心のカラスはというと、鏡に映った自分をほかのカラスとしてしか認識できませんハトはおろか、魚にすらできることがカラスにはできないのです。

カラスは生きるのに必要な部分が賢いだけ

カラスは確かに賢いです。しかしそれはあくまで生きていくために必要な部分が特に発達しているだけであり、一概に人間に例えると何歳相当とはいいきれません。実際その行動の合理性などには、人間からしたらちぐはぐな部分も多く見られます。

別にカラスにとって、人間と完全に同じ行動パターンが必要ではないのです。彼らには彼らが必要とする行動パターンがあり、その点で優れているにすぎません。

人間はほかの生き物の賢さのレベルを、人間の何歳相当と当てはめたがる、そんな習性が垣間見えるという意見を見たことがあります。カラスに対してのこの考察こそまさにそのままです。

さまざまな話に登場するカラス

カラスは神聖な鳥だった?

カラスは北から南まで、さまざまな神話や伝承を持つ鳥です。視力が高くて物を見分ける能力に長けているためか、神の使いや斥候、密偵などの役目を持つものとして描かれることが多いとされます。

また元は白やほかの色をしていたカラスが、何らかの理由で黒く変わってしまったとする伝承も世界中にあるのも特徴です。

海外でのカラスの話

ヨーロッパでのカラスの話

カラスの話は世界中にあり、イギリスではアーサー王が魔法でワタリガラスに変えられてしまったという話が有名です。そのため、ワタリガラスを傷つける行為は王室への反逆とされ、不吉なこととされます。

ケルト神話では戦の神の化身、もしくは肩にとまっている鳥として描かれ、戦場に殺戮と死をもたらすものとして描かれているのが印象的です。北欧神話では主神の戦争と死を司るオーディン神の斥候として、フギン(思考)とムニン(記憶)の2羽のカラスが世界中を飛び回り、オーディンの情報源になっているとされます。

カラスはギリシャ神話では星座にもなっている

アポロンに仕えていた白くて美しい声の鳥だったという点では共通しているものの、神話の内容は全く異なる2説があるのが特徴です。

まずは離れて暮らしていた妻が他の男性と一緒にいたのを、浮気をしているとして密告、もしくは見間違って虚偽の報告をしたというもの。

アポロンは妻の不貞を怒って殺してしまうものの、彼女の「あなたの子を身ごもっている」という言葉で正気に戻って後悔します。

そしてアポロンに話を告げたカラスに怒りをぶつけ、美しい白い羽を黒に変え、人の言葉も奪って声もガラガラ声に変えてしまったというものです。

別の話では、水を汲んでくるようにいわれたカラスが途中で道草を食って遅れたことを、ウソをついて言い訳をして罰を受けたという話。

死後に星座になったもののカラス座のくちばしが届かない微妙な位置にコップ座があり、水汲みの異説の裏付けとされています。

カラスはさまざまな国・部族でも特別な鳥

エジプトでは太陽の鳥と考えられ神聖視されました。

また旧約聖書ではノアの箱舟の話で洪水が落ち着いた後、水が引いたことを確認するためハトの前に放された鳥として登場します。

アメリカ先住民の神話では森を作った鳥としてワタリガラスが登場するだけではありません。「二枚貝に閉じ込められていた世界をこじ開けた」「分裂しあっていた部族をまとめた」など、創世神話の主人公として登場します。

それだけカラスは身近にいて特別な鳥だったのです。

日本に影響の強い中国では?

日本の文化に最も影響を与えた中国では、太陽にすむ鳥としてカラスが登場します。中国では陰陽説の影響で偶数が陰の数として歓迎されませんでした。そのため足の数が3本に調節され、三足烏が周辺国に伝わるきっかけになったのです。

日本でのカラスの話

日本でのカラスは霊魂を運ぶ霊鳥とされ、カラスが騒ぐそばには死人がある、夜にカラスが鳴くのは火災の前兆などの俗信がありました。

一方で吉兆を運ぶ鳥でもあり、神武天皇の東征時に3本足のカラスである「八咫烏」が、たいまつを持って導いたとする神話もあります。この神話が基となって、八咫烏は家紋としても多く用いられました。

さらにカラスは熊野三山の御使いでもあり、本来は神札であった牛王宝印(ごおうほういん:熊野牛王符のこと)の紙面に、奇妙な文字を形作っています。

この札を使って起請(きしょう:この場合誓約)したことを破ると、熊野で3羽のカラスが死んで、誓いを破った人物に天罰が下るとされました。またより縁起がよく、霊格が高いとされるカラスの順番は、高い方から八咫烏、赤烏、青烏、蒼烏と白烏が同格となっています。

カラスは民話でも人気の鳥

カラスの色に関しての民話もあり、カラスはもともと白かったものの、フクロウの染物屋にキレイな色に塗り替えて欲しいと頼んだというのです。依頼を受けたフクロウは、黒地に金や銀で模様を描けば、上品で美しく仕上がるに違いないと考えます。

そのためフクロウはいきなりカラスを真っ黒に染め上げてしまい、カラスは怒りだしてフクロウを追いかけ回しました。

それ以降、フクロウはカラスを避けて夜しか表に出なくなり、カラスはガァガァと抗議の声を上げ続けているというのです。

また別の民話では、カラスが欲張って注文を付けまくり、その注文に応じて模様を重ねていたら真っ黒になってしまったといいます。

いずれにせよ、カラスは元々は白い鳥だったとする考えが多いようです。

庭に来るカラスたちへ

我が家の庭にはハシブトガラスとハシボソガラスの両方が来ます。普段は伝線の上で威張っていますが、幸いお互いの領域を守れているらしく、これまで揉めたことはありません。

こちらが声をかけると小首をかしげて、かわいいところも見せてくれます。

この先もけんかはなしでお願いします。

鳥・動物冬鳥,留鳥,野鳥

Posted by koroton