シマエナガ【地域限定の鳥たち】
かつて北海道に行ったことが何度かあります。しかし当時、このシマエナガのことは知りませんでした。郊外にも何度も出ているため、知っていれば見る機会もあったことでしょう。そんなシマエナガについて気まぐれに調べてみました。
シマエナガってどんな鳥?
シマエナガの特徴
シマエナガの特徴をまとめると以下になります。
科目 | スズメ目エナガ科エナガ属 |
体長 | 約10~14cm【半分ほどが尾羽】 |
体重 | 約10g |
体色 | 雌雄同色 ・頭からお腹上部にかけて白 ・首の後ろから背中、翼、尾羽は黒 ・くちばしは円錐型で小さく黒い ・頭部からお腹上部にかけて薄く黒や赤褐色の挿し色が入る ・肩や翼の先は赤褐色 ・側腹部、お腹下部から尾の付け根下まで淡い赤褐色 ・尾羽は外側ほど白くなる |
シマエナガの名前の由来
エナガはその尾の長さから柄の長い柄杓(ひしゃく)に例えられてきました。江戸時代には「柄長柄杓(えながひしゃく)」や「柄柄杓(えびしゃく)」「尾長柄杓(おながひしゃく)」の名で知られた鳥です。
中でも「柄長鳥(エナガドリ)」がそのまま「エナガ」になったといえます。
ちなみに「シマエナガ」の「シマ」は「島(北海道のこと)」です。見た目には関係ありません。
※エナガについて詳しくはこちら
シマエナガの鳴き声
エナガと同じような声をしていて「ジュリジュリ」などと鳴きます。エナガの声を聞きなれておくと探すときにも便利です。
シマエナガの鳴き声はこちらの動画でどうぞ。
実は分類的にもめている
シマエナガはエナガの世界的基亜種Aegithalos caudatus caudatusの異名(シノニム)とする説もあります。
一方でシマエナガにはAegithalos caudatus japonicusという学名もあり、世界的基亜種とは別種とする説もあるのです。ちなみに日本の本州に住むエナガはAegithalos caudatus trivirgatusといい、こちらが日本での基亜種になります。
シマエナガの生態
特徴
シマエナガの生態をまとめると以下になります。
分布 | 北海道【東北などでも目撃された記録はある】 |
分類 | 留鳥 |
生息域 | 夏は森の中・冬は開けた林や農村部、人里など |
食性 | 雑食【小さな木の実や昆虫、クモ、樹液など】 |
シマエナガを見るなら冬
エナガの仲間は比較的早くから子育てを始める鳥です。そのため3月ごろになると森の中に移動してしまいます。また真ん丸でフワフワのシマエナガを見たいなら、なおのこと冬の厳寒期(12~2月)がおすすめです。防寒対策をしっかりして観察に行きましょう。
シマエナガをより確実に見たいなら専門家が付くツアーがおすすめ
野鳥の観察に慣れている方はともかく、鳥そのものの探し方もわからないという方は観察ツアーがおすすめです。
シマエナガは独特な鳴き声をしているため、わかる人には声だけでも見つけることができます。探し方がよくわからないという場合には、無理せず専門家に頼るのも大切です。
一方で真冬ならば街路樹や公園でも見るチャンスがあります。目撃情報を集めてから行く場所を決めるのもよいでしょう。
シマエナガを見るなら事前練習も重要
シマエナガに限らずエナガの仲間は動きが素早い鳥です。たとえ専門家の方が見つけてくれても、目が追い付かずに見逃す確率は高いといえます。
そこで事前にエナガの観察で素早い動きに目を慣らしておくとよいでしょう。特に写真を撮りたいのならなおのことです。
「せっかく頑張って撮ったのにぶれている」「思ったアングルで撮れなかった」といったことにならないように、エナガで慣れておくと失敗する確率が低くなります。
意外に忘れがち?熊情報も要チェック
北海道にはヒグマもいます。厳寒期には基本的に冬眠していますが、まったく遭遇しないわけではありません。むしろ厳寒期に遭遇する方が危険です。
シマエナガを見に行く前に、クマの目撃情報がないかをしっかりチェックしておきましょう。
シマエナガ観察にいくならスケジュールにも余裕を
厳寒期の北海道は吹雪などで観察ツアーが中止になったり、飛行機が運休になって予定の日に帰れなかったりすることがあります。
野鳥の観察ツアーでも必ずしもシマエナガを見られるわけではありません。
予定の日に飛行機が飛ばないなどのアクシデントが起こる可能性も考えて、日程には十分に余裕を持たせましょう。
シマエナガって飼える?
シマエナガは法律で捕獲・飼育が禁止されている
シマエナガは「鳥獣保護法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)」によって保護されています。そのため研究目的などの特別な許可がない限りは捕獲も保護もできません。もし怪我をしているようなら、まずは自治体に連絡を入れて指示をあおぐ必要があります。いくら元気がないからといって無許可で保護すれば違法行為です。
シマエナガの巣立ちビナに注意
巣立ったばかりの幼鳥を見つけたときは注意しましょう。巣から落ちたと勘違いして保護するケースが多く見られますが、巣立ったばかりはまだ上手に飛べないだけです。
うかつに保護をすれば親鳥から引き離すことになります。木の枝の上に移動だけさせて、そのまま離れるのが正解です。
シマエナガで癒されよう
まずはお食事風景から
枝をつんつんしてお食事中。そんなシマエナガの様子をどうぞ。
こんなことも得意です
樹液が凍ってつららになっている。そんなつららを上手にホバリングしながら舐めます。その様子はこちらの動画でどうぞ。
さらにスローモーションでもう1度。
夏のシマエナガってどんな感じ?
ちょっと夏痩せ(?)します。冬の様子と比較した動画がこちら。
シマエナガ団子
本家エナガにだって負けません。シマエナガだって団子になります。
ヒナたちだって負けないよ。ヒナのシマエナガ団子はこちら。
プロフィールをまとめるとこんな感じ?
かわいいシマエナガを見ながらプロフィールをご覧ください。
見逃した鳥
せっかく冬の北海道にも行っているのに、当時はシマエナガどころか小鳥に目を向けることもしませんでした。
エナガの動きにはついていけるので、いつかリベンジしたいものです。