フキ【庭の草木や花々】

2022年5月19日

我が家にはフキの大群落があります。イチジクの子木を持ってきたときにくっついてきたものですが、その勢力はすさまじいものです。グラウンドカバーにピッタリなことに気付いてからは、雑草除けにほったらかしにしています。そんなたくましいフキについて、気まぐれに調べてみました。

フキってどんな植物?

フキの基本情報

園芸分類野菜
形態宿根草・多年草・雌雄異株
原産地日本
草丈30~300cm
開花期平地1~3月・山間部3~5月
花色白・黄
収穫期花(ふきのとう)2~3月・フキ(葉)5~9月
連作障害少ない
耐寒性強い
耐暑性弱い
耐陰性強い

フキの特徴

キク科フキ属で春の山野を代表する山菜です。

茎は地下にあり、花芽と葉を出します。葉は葉柄の上に一部が切れた丸い大型で、平安時代初頭にはすでに栽培が始まっていました

市場には野生種から選抜された栽培品種だけでなく、原種も多く流通しています。

フキの名前の由来

諸説入り交じっているのが現状です。

冬に黄色い花を咲かせることから「冬黄(ふゆき)」の中略という説があります。ほかでは葉柄の皮をむくと糸状に筋を引くことからついた古名「布布岐(ふふき)」が転化したとする説もあり、定まっていません。

フキの花ってどんなの?

若い花芽は「ふきのとう」と呼ばれ、こちらも春を代表する山菜です。フキは雌雄異株のため、雄株と雌株でそれぞれ異なる花をつけます。※ふきのとうについてはこちらをどうぞ。

フキの花言葉

「愛嬌」「公平な裁き」「私を正しく認めてください」「正義がなされるでしょう」と、中には意味深なものもあります。

「私を正しく認めてください」は、古くから薬草としてさまざまな使われ方をしてきたためです。

民間療法ではうがい薬や咳止め、解熱、健胃などの目的で煎じ薬として使われてきました。生の葉を絞った汁は、魚の解毒や虫刺されに効くとされています。ただしフキを薬用に使うには正しい知識が必要です。毒性があるのでむやみと口にしないようにしましょう。

フキはツワブキ(石蕗)と間違えることがある

ツワブキはフキと葉の形がよく似たキク科ツワブキ属の常緑多年草です。耐陰性の強さから下草として広く植えられています。このツワブキも食用になりますがフキとは異なる植物です。秋にはキクに似た黄色い花が咲き、葉も斑入りや色違い、切れ込みが入るなどさまざまな品種があります。

フキとツワブキとの違い

フキとの大きな違いは、ツワブキは常緑で葉には毛がなく光沢もあることです。さらに花の咲く時期も形状も全く異なります。

ツワブキの花はこちら。

ツワブキは葉に厚みがある点も特徴です。フキの葉は薄くて光沢もなく、毛が生えてザラザラしています。

ツワブキは春にふきのとうも出ません。

フキの品種

愛知早生(あいちわせ)

全国で流通するフキの6~7割を占める品種です。その名の通り愛知県産の品種で、全国のフキの5割近くを愛知県が生産しています。

約180年前に在来種より早生(わせ)の品種として発見され、全国へ広まったものです。

葉は大きく葉柄は1m前後と長め、淡い緑色をしていて、アクが少なく柔らかい品種です。

水フキ(京フキ)・山蕗(ヤマブキ)

地フキ、青フキ、河内フキ、京ブキなどさまざまな名を持つフキです。

産地は京都や奈良で、茎の根元が赤い色をしています。愛知早生より香りが強いのが特徴で、佃煮などに人気の品種です。

秋田フキ

茎の長さは2m、葉の直径が1mという巨大なフキです。北海道から東北まで自生していて、秋田県では名産品となっています。

フキの中でも硬い品種で、野菜としてよりも佃煮や砂糖漬けなどの加工品として人気です。葉の部分はお茶などにも加工されています。

ラワンブキ

秋田フキの原種とされるフキで、北海道足寄町の螺湾川(らわんがわ)に自生しています。原種とされるだけあってかなり巨大で、中には4mにもなるものもあるフキです。

秋田フキと違い柔らかくアクが少ないことから煮物に適しています。

北海道遺産に指定されている特殊なフキです。

フキの栄養

栄養価では目立たない山菜

フキはアクが強く、アク抜きしないと食べられません。そのため水溶性の栄養素が抜けやすい欠点があります。

また脂溶性の栄養価もそれほど高くない野菜です。

フキの目立った栄養素

文部科学省の食品成分データベースによると、フキの水煮は低カロリーで高食物繊維の食品です。カロリーは100gあたり7kcal、食物繊維総量は1.1g(うち不溶性食物繊維が1.0g)あります。

食物繊維は不溶性の食物繊維が主体です。便秘の予防や解消に効果が期待できるだけでなく、血糖値の上昇を抑え、血中コレステロールを低下させる機能も注目されています。

便の体積を増やすとともに、大腸内に住む細菌のエサとなり、腸内環境を整えるために欠かせません。

またカリウムもフキの水煮が多く含む栄養素です。含有量は100gあたり230mgとなっています。水溶性の栄養素のため、煮汁まで活用できる料理の方が無駄なく摂れるでしょう。

カリウムは細胞内の浸透圧を維持し、活性維持させるのに必須とされ、体液のphバランスを保っています。余分な塩分を体外に排出し、塩分の取り過ぎを調節する重要な栄養素です。

【栄養素参考資料:厚生労働省e-ヘルスネット

フキの毒に注意

肝毒性が強いペタシテニン(別名フキノトキシン)などのピロリジジンアルカロイド類を含みます。特に地下茎は「蜂闘菜(ほうとうさい)」と呼ばれる生薬としても使われますが、毒性が強いため絶対食べないようにしてください。

フキがこのような毒素を持つ理由は動物や昆虫から身を守るためです。このため野生動物はフキを好みません。

人間がこのピロリジジンアルカロイド類を大量摂取した場合、肝障害を引き起こす可能性があります。動物実験では肝がんを発症した例もある怖い毒物です。

そのようなピロリジジンアルカロイド類は、熱に強く壊れにくい特徴があります。一方で水溶性のため下茹でで減らせる毒素です。

茹でこぼしてから水にさらせば、約1/3~1/10に減らせます。必ず下茹でしてから食べましょう。

【農林水産省・食品中のピロリジジンアルカロイド類に関する情報

フキの育て方

日当たり

夏の直射日光が当たらない、半日陰になる木陰などがおすすめです。遮光資材で日差しを遮ったり、丈の長い作物を南側に植えたりするのもよいでしょう。

ph値6.0ほどの弱酸性で保水力のある土を好みます。地植えにするときは2週間前までに石灰を、その後に元肥として堆肥油かすを入れ馴染ませておきましょう。

プランターで栽培する時は、保水性のある野菜用培養土を使います。

植え付け

植え付け適期は3月か9月です。太さ1.5cmほどの地下茎を選び、10~15cmの長さに切り分けて植え付けます。

広がることも考えて、株間は15~30cmほど空けるのがおすすめです。地下茎を横向きに並べ、覆土は5~10cmほどかけます。

乾燥を嫌うため植え付けは速やかに行い、敷きワラなどで覆いましょう。

水やり

土が乾燥しないように、表面が乾いてきたら水やりをします。特にプランター栽培では注意が必要です。

肥料

ふきのとうの収穫も終わり、新しい芽が伸び始める前に肥料を与えます。さらに最初の葉柄の収穫期が終わる5~6月、休眠期に入る9~10月に施しましょう。

肥料は油かすを少量、株の周りへまくように与えます。地下茎が地表に近い為、肥料焼けしないよう注意してください。

収穫

株が充実する2年目以降に、地際から刈り取って収穫します。地下茎は毒性が強いため、食用にはなりません。

植え替え

そのまま放置しておくと地下茎が密集し、葉柄も細くなってきます。収量を戻すために株を間引くか、3~4年ごとに株分けしましょう。

育ちのよい株だけを選んで植え替えるのがおすすめです。

増やし方

株分けで簡単に増やせます。放置していてもどんどん地下茎を伸ばして増えていくので、間引きが必要なくらいです。

病害虫

病気は斑点病害虫はアブラムシ、ヨトウムシ、フキノメイガに注意が必要です。

斑点病は風通しをよくし、根元で水が跳ね返るのを防げば予防できます。適度の収穫を続け、根元は敷きワラなどで覆っておくと安心です。

アブラムシは直接水をかけるだけで駆除できます。また黄色いバケツに水を入れて置いておくと簡単に駆除できるのでおすすめです。

ヨトウムシは米ぬかを入れたビンを置いておくと周囲にいる個体を一網打尽にできます。夜行性なので夕方にビンを設置しておき朝に回収するとよいでしょう。

フキノメイガは6月ごろに発生する害虫です。雑草を抜き、風通しをよくして予防します。増えてしまったときは農薬を使って駆除してください。

フキを使った料理

フキを調理する前にしておくこと

フキにはピロリジジンアルカロイド類という毒素が含まれるためアク抜きは必須です。アク抜きすることで毒抜きもできます。

美味しく食べるためにも必ずアク抜きをしてから食べましょう。

香りがいい!簡単!フキのあく抜き方法

フキの煮物

定番の素朴な煮物です。素朴ゆえのフキの風味がたまりません。

ふきの煮物

フキの佃煮

小鉢として添えるのにピッタリな一品です。フキが手に入ったらぜひ作ってみてください。

ふきのつくだ煮

フキのベーコン炒め

いつもと雰囲気を変えてみたいときにおすすめの一品です。洋風も意外といけます。

シャクシャクの食感が美味しい"ふきのベーコン炒め"

フキとツナの炒め和え

中には苦手という人もいるフキの香り。ツナと炒めると食べやすくなるのでおすすめです。

ふきとツナの炒め和え

フキ野原

我が家の庭の南側1/3はフキに占拠された状態です。特に何か手入れをしているわけではありません。完全な雑草除けです。

夏は乾燥しっぱなし。肥料も特にあげているわけでなし。なのにグラウンドカバー状態になっています。

これからもどうか雑草除けに頑張ってください。・・・山ブキで丈夫なのがよかったのかな?

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Posted by koroton