ゴジュウカラ【身近にいる鳥たち】

2022年9月7日

「水色がかった背をして、いつも反っくり返った鳥」それが率直にいった私のゴジュウカラのイメージです。しかしよく考えてみたら意外と知らないことの多い鳥でもあります。そこでゴジュウカラについて気まぐれに調べてみました。

ゴジュウカラってどんな鳥?

ゴジュウカラの特徴

ゴジュウカラの特徴をまとめると以下になります。

科目スズメ目ゴジュウカラ科ゴジュウカラ属
体長13.5cm
体重19~20g
体色雌雄ほぼ同色
・丈夫でとがったやや上に反り気味の黒いくちばし
・くちばしから目を通って側頭部へと黒い筋模様(過眼線)が続く
・尾羽は短い
・過眼線の上、頭から背中、翼、尾羽にかけて青みがかった灰褐色
・過眼線の下は白く、体側面や腹部、尾羽基部の腹面(下尾筒)は赤みを帯びる
・メスはオスよりも下尾筒の色が薄い

幼鳥は親よりも羽が生えそろっていないためか羽毛がぼさぼさです。

ゴジュウカラの名前の由来

江戸時代にはゴジュウカラと呼ばれていましたが、その名前の由来はいくつかあります。

数ある中で有力視されている説としては、「シジュウカラに似て非なるものだから」という説です。

このほかでは「昔は四十歳で初老、五十歳で老人。ゴジュウカラの羽の色を老人に見立てた」という説もあります。ゴジュウカラとしては老人扱いはいささか不本意かもしれません。

ただしこの説には「ゴジュウカラをかわいがっていた老人たちが、自分たちの仲間としての願望や親しみを持ってつけた」という理由があるとする説もあります。

ほかでは「シジュウカラ以上にたくさんいた」「鳴き声がゴジュ、ゴジュと聞こえた」などがあり、特定はされていません。

※シジュウカラについてはこちら

ゴジュウカラを漢字で書くと?

ゴジュウカラは漢字で「五十雀」と書きます。「カラ」は鳥を指す古語であり、シジュウカラに単純に10を足して「五十雀」となりました。

一方でスズメ50羽分の価値があるから「五十雀」とする説もあります。スズメにとっては納得できない由来かもしれません。

ゴジュウカラを英語でいうと?

ゴジュウカラの英語名は「(Eurasian) nuthatch」「nutcracker」となります。一般的なものは「nuthatch」が使われるようです。

「nuthatch」の由来はOld Englishの「hache」からきています。「hache」は「to hack」につながり、「切り込む・たたきつける」という意味でした。

つまりゴジュウカラを表す「nuthatch」とは、「硬い木の実(nuts)をくちばしで溝に押し込んでたたきつける・切り込むなどの行為をする鳥」という意味になります。

実際ゴジュウカラは木の皮の隙間や溝に貯食する習性があり、その行為を見てつけられた名前が「nuthatch」というわけです。

ゴジュウカラの鳴き声

まずはさえずりからどうぞ

さえずりの後に小さく地鳴きしていますが、ほとんど聞こえないほど小さい声です。あなたの耳には届いてくれるでしょうか?さえずりの後に耳をすませてください

ゴジュウカラの生態

特徴

ゴジュウカラの生態をまとめると以下になります。

分布北海道から九州にかけて(寒帯と山岳地帯を除くユーラシア大陸と北アメリカ大陸)
分類留鳥(高地で繁殖したものの中には低地に移動するものもいる)
生息域平地から山地にかけての落葉広葉樹林
食性雑食
・昆虫類・クモなどの節足動物・果実・種子など
・夏季は昆虫類、冬季は種子などを主に食べる
性格・キツツキ類相手に掘りかけの巣穴を奪うことがあるなど気が強い
・警戒心は強いが人に慣れやすい
天敵タカなどの猛禽類や蛇など
寿命・平均寿命は1~2年
・1年を生き抜けば数年生きるとされる

ゴジュウカラは貯食をする鳥

ゴジュウカラは英語名からもわかるように貯食する習性があります。貯食とは食料が豊富なうちに、冬に備えて食べ物を隠しておく行動のことです。

貯食場所は樹木に生えたコケと木の間や樹皮の隙間、木に巻き付いたツタと樹木の間などを選びます。すべてを食べつくすわけではないため、結果として木の実を森のあちこちに運ぶ役割を果たすことにつながります。そのため森の維持にも貢献しているとの見解が一般的です。

ゴジュウカラだけの特技

ゴジュウカラは木に垂直にとまれるだけでなく、頭を下にしたまま移動できる唯一の鳥です。強い握力と鋭い爪を使い、軽い体と優れたバランス感覚を武器に、頭を下にしながら幹をクルクル回りつつ降りるという習性があります。キツツキ類なども幹に垂直にとまることのできる鳥です。しかしゴジュウカラのように頭を下に移動はできません

ゴジュウカラの繁殖

特徴

ゴジュウカラの繁殖形態をまとめると以下になります。

繁殖期3~6月
縄張りの広さ巣の周辺
営巣場所樹洞やキツツキの古巣(巣箱はあまり利用しない)
巣の材料・樹皮を敷き詰める
・入り口や内壁、隙間に泥を塗る
抱卵担当メス
子育て担当つがい
卵の数5~7個
・年によっても違う
・緯度が高いほど増える傾向がある
・13羽が巣立った記録もある
孵化までの日数18~20日(メスのみが抱卵)
巣立つまでの日数20~25日

非繁殖期にはほかのカラ類やコゲラなど、小型の鳥と混群を作ることがあります。

ゴジュウカラの求愛行動

ゴジュウカラはさえずりだけでメスにアピールするわけではありません。オスがメスにエサをプレゼントする求愛給餌(きゅうあいきゅうじ)をする鳥です。

メスがエサを受け取ってくれればオスを受け入れてくれた証になるため、オスも必死でメスにアピールします。

この求愛給餌は子育て期の間にも目撃されているため、オスはメスに頻繁に愛情をアピールしているようです。

ゴジュウカラの子育ての様子

ゴジュウカラはつがいでエサを運んできます。すぐには巣穴に入らず、周囲を警戒してからヒナにエサをあげるのはほかの鳥と同じです。

ヒナのくちばしは黄色をしています。これは薄暗い巣箱の中でもヒナの口を認識しやすいからというのが通説です。

親鳥からエサをもらったヒナは排泄します。その排泄物は、親鳥がくわえても崩れない構造です。巣に排泄物が溜まらないよう、親鳥はよそへ運んでいきます。

ヒナへの給餌は1時間ほどで20回近く、親鳥がヒナにエサを与えてから排泄物をくわえて飛んでいくまでわずか10数秒です。エサやりも大変ですが、天敵に見つからないよう素早く行動しているのがわかります。そんなゴジュウカラの子育ての様子はこちら

ゴジュウカラの幼鳥はぼさぼさがトレードマーク?

巣立ったばかりの幼鳥はまだくちばしの色も薄く、付け根は黄色いままです。さらに羽はまだ生えそろっていないため、ぼさぼさしています

まだ足元もおぼつかないところがあり、垂直にとまるのも危なっかしさを感じさせるほどです。しかし親鳥からエサをもらいつつ成長し、やがて飛ぶのも木を移動するのも様になる立派な成鳥へと育っていきます。

ヒナや幼鳥を見つけたら?

ゴジュウカラに限らず巣立ったばかりのヒナはまだ上手に飛べません。そのため地面に落ちていることもあり、ケガをしているのかと間違えられることもしばしばです。

ヒナに限らず野鳥を見つけたときはまずは茂みの中などに移動させてから離れてください。巣立ったばかりのヒナのときはやがて親鳥がエサを運んできます。くれぐれも連れ帰ったりしてはいけません。親鳥にとってはヒナが「誘拐」されることになります。また例えケガをしていても野鳥の保護には許可が必要です。各自治体に専門部署があるのでまずは連絡をして指示をあおいでください。無断で保護すると「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)」違反になってしまいます。注意してください。

明らかに巣立ち前のヒナがいたら?

もし羽も満足に生えていないようなヒナを見つけたときはそのまま離れることを推奨します。残酷に思えるでしょうがまずヒナを人の手で育てきることはできません

ゴジュウカラに限らず多くの鳥は、親鳥が病気や体が小さすぎるなどの理由からあえて巣からヒナを落とすこともあります。ほかの子を残すためにあえて見切りをつけるのです。そのようなヒナを巣に戻すことは親鳥の覚悟に水を差すことになります。人の一方的な感情で判断してはいけないことです。そのため「鳥獣保護法」は、基本的に希少種でもない限りは自然に任せることを主眼に制定されています。自治体からも許可が下りにくいことが多いですが、どうしても納得してから諦めたいという場合には相談してみてください。その結果がどうあれ必ず従うことも大切です。

ゴジュウカラの仲間

日本にいるゴジュウカラの仲間

日本には3亜種のゴジュウカラが生息しています。本州などに生息するゴジュウカラのほかに、北海道にはシロハラゴジュウカラ、九州にはキュウシュウゴジュウカラが確認されているのです。

キュウシュウゴジュウカラはゴジュウカラとほとんど違いはありません。一方でシロハラゴジュウカラは腹面が白い羽毛で覆われ、尾羽の付け根の下の部分(下尾筒)の赤身が小さいのが特徴です。

こちらが一般的なゴジュウカラです。

こちらがシロハラゴジュウカラです。お腹の白さがはっきり違います。せっかくなので、シロハラゴジュウカラの求愛ダンスをどうぞ

ゴジュウカラのこんな動画はいかが?

まずは豪快にヒマワリの種を割るお食事風景からどうぞ。ちなみに虫も砕いて食べます。その様子はこちら

「さえずりも大事だけど、身づくろいも大切です」メスを得るのは大変なのです!な様子もどうぞ

木の幹を逆さに下りる様子もどうぞ

とても個性的な小鳥

ゴジュウカラはその仕草がとても個性的な小鳥です。ちょっと反っくり返った独特なポーズ、頭を下に木を移動するほかの鳥にはできない特技。冬にはエサ台にも来ることがある鳥の1種なので、近くに公園や林でもあれば庭でも観察できるかもしれませんね。

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Posted by koroton